top of page

算数教育を語る会・上北支部
顧 問 繁在家 康文
「算数であいうえお」を合い言葉に授業作りを提案してきた。
算数の中で,「あいうえお」の言葉の勉強なの?とそのことについて話し始めると必ず聴かれることである。
「あいうえお」のあは,「あっ」のあ。授業の中で発見をしたときに自然に子どもたちの口から出てくる言葉である。
「あいうえの」のいは,「いいね~。」「いいと思うよ。」「いいに決まってる。」のいいである。妥当性を検討している姿がここにある。
「あいうえお」のうは,「う~む。」と悩む場面である。悩むことがなければ,発見の喜びも薄く,印象に残らない。という本を読んだことがある。算数に限らず,悩んで考え出した答えは,正解であろうが,不正解であろうが印象に残る。
「あいうえお」えは,「え~?」不思議に思う気持ちがその言葉に表れる。
「あいうえお」のおは,「お~!」納得の時の言葉である。
算数に限らず,授業においてこのような言葉が出てくるということは,子ども達が考え,自分の考えと比べ関連づけようとするときに自然に発生する言葉である。
私は,授業作りをする中でこれらの言葉が出てくる瞬間を楽しみにしている。
ただ,黙っていて出てくるわけではない。その言葉を発する仕掛けをするからこそ,その言葉の意味が出てくる。
そんな授業の中で「あ」「い」「う」「え」「お」が発生する授業作りに焦点を当てて研究してきた成果とこれからさらに広く深く研究を重ね,一つの形にまとめることを大きな目標としている。その仕掛けは,どんな単元にも通用するわけではないが,そんな仕掛けのこつを覚えることが,楽しい算数授業を作る元になるのではないかという提案である。
追試をするもよし,新たな視点で「あいうえお」のでる授業作りを試みることもよし,この会を通して,少しでも子ども達に感動のある授業ができれば,私たちの理論を裏付けることになる。もし,そんな授業ができたならば,情報を交換し合いながら,これから楽しい算数の授業を通して,世の中に通じる一つの理論を確立していきたいと考えている。
「算数教育を語る会」は,算数を勉強したいという先生は誰でも参加できる会として続けていきたい。自分が抱えている指導案の検討,教材研究,授業の悩み事相談,時には学級・学校の相談などについて,集まったみんなで語ろうと思う。先生自身が算数を好きになり,楽しい授業作りをすれば,きっとそれが算数を好きになれる子ども達を育てることにつながる,と信じているからである。
発足にあたり 平成21年6月
bottom of page